はじめに
onino.は店主が生まれ育った京都の山科で創業しました。その日が2010年2月26日。何の根拠もない自信と保障の無い不安の中なんとか現在まで、ただ毎日花の力を借り、花と歩いてきました。長く険しい道のようで、この10年余りは心地の良い日々でした。当店にご来店頂くお客様をはじめ近くで支えてくれる、遠くで見守ってくれる人のおかげだと感謝しています。
2020年、誰一人予知しなかった新しい生活をせざるをえない中、私たちもこのタイミングでウェブサイトをオープンすることを決めました。
「STORY」について
オンライン上でお客様と出会うこの場所でどんなことを発信しよう?と考えた時「少しでもいつもお店に来てくださるお客様とのやりとりに近い形が良いな」と思い、この「STORY」というコンテンツを発信することにしました。花と数字にまつわる物語を書き記していくこと、その物語に沿って届けたい花をご提案することがこの「STORY」の目的です。
毎日店に立っていると、お客様が花の注文をされるとき、贈りたい相手にまつわる「数」を思い浮かべている方が多いな、と常々興味深く思っていました。ある人は退職を祝うための「65」本の、ある人は結婚記念日を祝うための「30」本の花束、そんな風に頼んでくださる方がたくさんおられたのです。ウェブサイトもお店でのやり取りに近づけるために何か工夫したいと思った時「数字と花にまつわる物語にしよう」という考えに至りました。
始まりを表す数、始まりを表す花。
さて、今回その始まりとなるこの物語で選んだ数字は「26」です。これはonino.にとって縁のある数字です。2010年の店の開店、そして今回2021年のウェブサイトオープンすることに。2月にリリースするのだからいっそ同じ日で2月26日しようと思いました。だから「26」はonino.にとって門出の数字です。
門出に添える花といえば、それはやっぱり胡蝶蘭。お店が新しくできた時・引っ越しをした時・建物が完成した時など、新しい門出に添えるために贈られる花、それが胡蝶蘭です。胡蝶蘭は丁寧に手入れしてあげれば1ヶ月以上咲き続ける花です。相手の新しい旅立ちがこの花と同じように、長く上手くいくように願いをこめて贈るようになったのではないかと思っています。
品質は思いを表す。
節目のための大切な贈り物だから花もラッピングもしっかりこだわったものにしたい。そうした想いから胡蝶蘭の生産者さんのもとを訪れたり、良い質感のラッピングを選考してみたり、いろいろと試行錯誤しながら納得のいく品質の胡蝶蘭のセットを組んでみることにしました。
ここから始まること。
この「STORY」で取り上げた花は、このサイトからそのまま購入することができます。ただ花を買ってもらうのではなく、その背景にある物語や想いも一緒に手にしてくれたら嬉しいな、「あのお店の花なら、なんだかちょっと嬉しいね」とか「もし自由に旅する季節がやってきたら、私もあのお店に行ってみたいな」と言ってくださるお客様がこのオンライン空間を通じて全国に増えてくれたら私たちも嬉しいなと思っています。私たちがここから始めたいのは単なるショッピングサイトではなくて、場所や時間の制限のない、街の花屋とお客様の新しい関係なんじゃないだろうか?そんなちょっと壮大な夢を心に秘めながら、この「STORY」という試みを始めてみようと思います。